2010年12月25日土曜日

中国 飛び交う来年バブル崩壊説 不動産融資 引き締めに懸命

 中国国務院(政府)が地方政府に対し、「3つ目以降の住宅購入者と関連業界」に厳しい制限を加えるよう通達したことが、19日明らかになった。3つを超える住宅購入は投機が目的とみなし、購入者には銀行ローンの一時停止、業界には不動産価格つり上げへの監視強化などを徹底するよう指示している。

 ?1年で3倍に?

 中国では不動産価格の急騰が続き、「2011年バブル崩壊説」も飛び出している。このため、通達は住宅価格が高騰している地方の都市部などで、銀行ローンの一時停止のほか、地元での1年以上の納税や社会保険料の納入証明のない非居住者への不動産融資を停止するよう求めた。住宅供給計画で、中低所得者向け住宅の建設比率を高めることも指示した。

 一方で、業者の不動産取得、資金調達への監督を厳格化し、売り惜しみや価格つり上げを行った業者に制裁措置を取るよう命じ、国有などの公的企業が不動産事業に乗り出すことを禁じた。その上で、「一部都市で不動産投機が活発化している。市場安定や住宅建設努力を怠れば責任を追及する」と厳しくクギを刺した。

 住宅価格の急騰が続く広東省深セン市の場合、市当局の発表で、中心部の経済特区で2月の新築住宅平均価格が1平方メートル当たり3万9840元(約54万円)と前月比で21.8%上昇した。前年同月比で185.2%、1年で3倍近くに跳ね上がった。市郊外のマンションでも、100平方メートル程度で230万元(約3000万円)もの値がついているという。

 大卒の初任給が3000元(約4万円)前後の水準で、一般のサラリーマンが買える価格ではなく、物件の多くは富裕層や企業が投資目的で購入しているとみられる。

 ただ、今月に入ってからも、浙江省杭州市で売り出された数百戸のマンションに、数千人の購入希望者が押し寄せて大混乱したり、北京市では手付金を支払い済みの物件が突然、大幅に値上げされて約1千人の購入者が抗議デモを行う騒ぎが各地で報じられ、不動産をめぐる問題は広がりをみせている。

 ?日本の二の舞い?

 こうした中で、広東省の日刊紙、南方都市報などが伝えたところによると、インターネットで、「不動産市場崩壊スケジュール」との出所不明の文章が出回り、話題になっている。

 文章は、2005年から現在までの中国の不動産市場の状況が、1980年代の日本にそっくりだと指摘し、中国の不動産バブルは2011年に崩壊すると「予言」している。

 ネット上で賛否両論があるものの、不動産市場が下落すれば、日本の経験と同じように銀行の不動産融資の多くが巨額な不良債権として顕在化するのは確実だ。

 市場関係者は「今回の通達に続き、中国政府は今後、相次いで不動産相場の抑制策を打ち出すのではないか」と話している。(上海 河崎真澄)

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引用元:Reign of Revolution 情報局

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